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  • niro1223

「6つの個展 2020」茨城県近代美術館

茨城県近代美術館の展示室を6つに区切り、一色邦彦(彫刻)、須藤玲子(テキスタイル)、國司華子(日本画)、アビルショウゴ(ガラス)、塩谷良太(陶)、そして私(油彩画)、異なるジャンルや素材に取り組む6名が個展形式で展示を行いました。

私は第1室をあてがわれました。2008年制作の「After Rain/記憶」P50 、2011年制作の「水面/薄明」F300、他、大作を中心に、合計10点の構成にしました。窮屈にならないように、最小限の点数にしました。

この企画をいただき、プランを練る中で、新作を1点、しかもバカでかいのを描こう、と考えました。F200号を2枚くっつけ、縦259㎝、横388㎝の作品「夜をわたる」を描きました。描きながら、古河三高教員時代、生徒やOBと利根川「筏レース」に出場したことを思い出しました。自宅の裏山から竹を採ることから始め、ノアの箱舟よろしく、実物大の動物たちを作って筏に乗せ、川を下りました。







図録には、美術館主席学芸員の澤渡麻里さんがテキスト「野沢二郎-生成する絵画」を寄せてくださいました。パウル・クレーの影響ほか、自分でも忘れているような過去の思考なども詳細に記していただきました。以下、結びのくだりを引用させていただきます。


≪夜をわたる≫は、本展のために今夏制作された大作だ。すべての色彩の集積である昏い灰色は夜の象徴である。しかし闇に沈殿するのではなく、水平に横断する白と周辺に散る朱赤の絵の具が、制作の最後の局面における画家の動きの生々しい痕跡として、その存在を主張する。「夜をわたる」のは画家なのか、はたまた我々か、わたった先にあるのは夜明けだろうか。たとえ永遠に続くように感じられても、明けない夜はない。歴史的な天変地異の中で、闇中をさまようようにして破壊と再構築、生成を繰り返し、その果てに画家がつかみとった光景は、我々には暗闇に浮かぶ道標のように感じられるかもしれない。






展覧会を通して多くの出会いがありましたが、一つだけ記します。参加作家の一人、一色邦彦さんに私は高校生の時、出会いました。通っていた水戸の美大受験教室で、木村克朗先生(京都造形芸術大学)が、一色先生を教室にお連れになりました。一色先生のかっこいい彫刻は高校生の私も憧れていたので、その時、お話が出来て嬉しかったのを覚えています。今回の展示作業の時、チャンスを見て「実は私、一色先生に高校生の時、お会いしたんです」と伝えようと考えていたら、思いがけず先生からお声をかけてくださいました。40数年前を覚えていてくださり、とてもうれしそうに、褒めてくださいました。




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